健康小話

最近, 相次いで不妊の原因となる 「蛋白質」 についての発見がなされている.

横浜市立大と三重大の研究ﾁｰﾑでは, 生殖細胞の形成に重要な働きをする 「ﾅﾉｽ」 と言う蛋白質の構造解析に成功している.

この蛋白質に異常が生じると, 精子や卵子と言った生殖細胞が形成されず, 不妊となる事から, その構造が解析された.

不妊の原因解明に一歩近づいたと考えられる.

また, 東京大学の研究ﾁｰﾑでは, 細胞の大きさの制御や代謝調節などの重要な働きを持つことで知られる 「DEDD」 と言う蛋白質が, 受精卵が着床後, 胎児に栄養を供給するなど, 成長に不可欠な "子宮脱落膜" の成熟に必須である事を解明した.

研究ﾁｰﾑでは, 不妊の 3 - 4 割は原因不明と言われているが, その多くは, 当該 「DEDD」 の異常のためではないか, と推測しているとの事である.

現在, 女性側不妊症の略 1/3 は子宮内膜症ではないかと推定されている.

子宮内膜症とは, 子宮内膜と類似の組織が, 卵巣や子宮筋層内に発生し, 卵巣ﾎﾙﾓﾝの影響下で増殖と出血とを繰り返す疾患で, 重篤な月経痛や腹痛が主な自覚症状である.

けれども, 子宮内膜症の発症の原因は, 未だよく判ってはいない.

卵巣では病巣からの血液が徐々に貯留して卵巣嚢腫の形に腫大し, 内容液が古い血液の褐色調である事から "ﾁｮｺﾚｰﾄ膿疱" と呼ばれる事もある.

女性は, 略 2 百万個の卵子を持って生まれるが, 30 代後半から徐々に卵子の質は悪化し始め, 40 代に入るとそれが急激になるため, 妊娠できる可能性は激減してしまうのである.

加齢に連れて, 精子の質も低下して行くのは勿論である.

不妊症の原因は男女半々, と言っている医師もいる位で, 不妊症の治療は一筋縄では行かない処がある.

通常, 多くの哺乳動物は生殖能力が無くなる頃には死ぬ様になっている.

然しながら, 人間だけは, 栄養の改善や医学の進歩の恩恵を受けて, 長寿を獲得し, 生殖能力が低下しても生き続けられる様になったのである.

けれども, 閉経年齢そのものが延びた訳ではない.

従って, 姙娠に最適な時期に子どもを作れる様, 各自が人生設計を考える事は大切な事である.

最近問題となっている, 保育園の整備を初め, 子育てのための社会的･経済的環境整備は言うまでもない.

選挙目当ての 「こども手当」 よりも, やらねばならぬ "少子化対策" は色々ある様に思うのである.

Have a nice day!
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はり・きゅう・ﾏｯｻｰｼﾞ トミイ
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