健康小話

国立精神･神経医療研究ｾﾝﾀｰ総長である樋口輝彦先生は, 「鬱病は, 脳の機能変化を伴う "病気"」 であるから, 「早期受診と的確な診断 」がその予後を大きく左右する, と仰っている.

最近は, ｺﾝﾋﾟｭｰﾀｰを駆使した画像診断技術が長足の進歩を遂げており, 脳の血液量や活動状況を部位ごとに把握する事が可能になっているとの事.

鬱病の場合, 思考や創造性と言った機能を有する前頭葉の血流や, 感情のｺﾝﾄﾛｰﾙ, 学習と記憶などの機能を有する帯状回後部の血流は減少する.

一方, 帯状回前部や扁桃体などの部位では血流が増加している.

この様に, 脳の血流量から, 脳の活動が低下したり, 活発化している現象が部位ごとに把握出来るのだそうだ.

前にも本ﾌﾞﾛｸﾞで紹介した事があるが, 「光ﾄﾎﾟｸﾞﾗﾌｨｰ」 と言う, "近赤外光" を用いた検査技術が精神医学の分野で注目されている.

詳細は割愛するが, これは身体の外側から脳の血流を時系列的に測定する技術で, 健康な人の前頭葉は, ある課題を遂行するに従い脳の活動が活発になるが, 鬱病の人の前頭葉にはそれが見られないと言う.

この様な事実から, 「心の病」 と言われている鬱病は, 「脳の機能變化を伴う病気」 である事が判っている.

鬱病は, 家族を初め, 周囲の人間には, なかなか理解し難い症状を呈するため, 対応に悩む事が多い疾患である.

然し, 患者の気持ちの問題とか心の弱さなどが原因ではなく, 脳の機能変化を伴う病気なのである.

何時も言っている事であるが, 「早期発見, 早期治療」 はいかなる病気にも当て嵌まる鉄則である.

東洋医学的に言えば, 「未病を治す」 事こそが健康の維持･向上には重要なのである.

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はり・きゅう・ﾏｯｻｰｼﾞ トミイ
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