皮膚は第三の脳 (4)2011/11/25 02:30

当時、傳田氏は, 生命の成り立ちに興味があって研究をしていたのであるが, 「生命は自己組織化現象」 である, 詰り, 「周囲から食べ物や酸素や熱を取り込み, 一方では, 排泄や情報発信を行ってその機能と構造を命ある限り維持している」 「こすれば垢になる皮膚すら, 自分の状態をモニターし, その状態が壊れても, その壊れ具合を顧慮しながら, 元に戻す力があることに生命の本質を見る思いがした」 と述懐している.

傳田氏は, 自己の研究から, 以下の様な考えを持つに至ったと言う.

1) 表皮細胞・ケラチノサイトには中枢神経系の神経伝達物質の受容体が沢山存在する.

・NMDA, ニコチン型アセチルコリン, GABA, グリシン (イオンチャンネル内蔵型受容体)

・アドレナリンβ 2, ドーパミン 2 型, メラトニン, セロトニン (G 蛋白質共役型字受容体)

2) 表皮は外部刺激に対して免疫系, 循環器系, 内分泌系に影響を与える.

3) 表皮は環境変化をモニターするセンサー (受容体) を持ち, そこでの情報を処理する能力を備えている. 表皮はイオン濃度によって支配される電気システムでもある.

ミクロの世界から皮膚の研究を重ね, これまでの成果を束ねる言葉として, 傳田氏は, 『皮膚も脳である. 言わば第三の脳だ』 という表現をしたのである

因みに, 本ブログで紹介済みの, 「腸は 『第二の脳』」 の『第二の脳』 とは, 消化器の研究者・ガーション博士が言い出した言葉である. (邦訳 『セカンドブレイン』 小学館 2000 年)

モルモットの消化器だけを取り出して培養液に漬け, 入り口から錠剤状のものを押し込むと自律運動が始まり, 消化管は間違いなく出口まで内容物を運んで行く, という実験結果に基づき, 消化器には脳とは違った神経系の働きをもつものとして, ガーション博士は 「第二の脳」 と言明したとの事である.

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