健康小話

この間, 理化学研究所の林 拓也副ﾁｰﾑﾘｰﾀﾞｰと, ｶﾅﾀﾞのﾏｷﾞﾙ大学の研究ﾁｰﾑは, 脳の一部に磁場を射てて, たばこを吸いたいと思う欲求を抑える事に成功した, と言う発表をしている.

そう言った衝動を齎す脳の部位が特定されたのである.

薬物やｱﾙｺｰﾙなどの依存症の新たな治療法に道を開く成果だと言う.

喫煙の欲求には, 認知などを担う "大脳前頭前野" の腹内側部や背外側面が関係していると言われているが, これまで, その詳細な役割は不明だったのである.

研究ﾁｰﾑは, 10 人の喫煙者に喫煙ｼｰﾝのﾋﾞﾃﾞｵなどを見せて脳の活動を測定した処, 視聴後にたばこが吸えると判っていると, 背外側面が活発に活動したと言う.

然るに, この背外側面に磁場を約 30 分射てると, たばこを吸いたい気持ちを表すとみられる活動が収まったのである.

そこで, 詳細に調べた処, 背外側面は周囲の状況に応じて欲求を促す働きをしており, その影響で腹内側部が喫煙したい衝動を作っていた事が確認出来たと言う.

実験では, 脳機能を調べる 「経頭蓋磁気刺激法」 の磁場を利用している由.

喫煙他のに限らず, 他の依存症でも同様の仕組みが関わっていると考えられ, 今後は, 詳細にそのﾒｶﾆｽﾞﾑを解明し, 効果的な治療法の可能性を探って行く予定であるとの事.

これは我々鍼灸師にとってもなかなかに興味ある事実である.

ﾒｶﾆｽﾞﾑの詳細が解明されれば, "経絡治療" としても応用できるものがあるのではないか, と言う気がするからである.

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