発光蛋白質で微小癌検出2013/07/27 04:08

大阪大学や北海道大学, 京都大学の研究チームは, 従来の 10 倍以上明るい光を放つ蛋白質を開発, 「ナノランタン」と名付けた, と過日発表されている.

癌細胞に組み込んで, 動き回るマウスの体内で光らせ, 肉眼で観察する事にも成功していると言う.

永井 健治大阪大教授は 「微小な癌の検出や生命現象の観察に使えるかもしれない」 と期待している由.

細胞の研究などでは, ノーベル賞を受賞した下村 治教授が, オワンクラゲから発見した 「緑色蛍光蛋白質 (GFP)」 を改変した蛋白質が多用されている.

けれども, 発光させるには細胞に有害な紫外線などの照射が必要で, 長時間の観察は出来なかったのである.

そこで, 同チームでは, 紫外線を当てなくても光るサンゴの仲間 「ウミシイタケ」 の発光タンパク質 「ルシフェラーゼ」 に着目したと言う.

ルシフェラーゼは, 実験用としては光が弱いのが問題だったが, 遺伝子組み換え技術で GFP 改変蛋白質とつなぎ合わせ, 紫外線なしで, ルシフェラーゼの 10 倍以上明るく光るナノランタンの作製に成功したのである.

ナノランタンを組み込んだ癌細胞をマウスの足に移植した処, 暗室内で動き回るマウスの足が緑色に光るのを観察できたと言う.

微小な癌の検出が可能になれば, 「早期発見, 早期治療」 が可能になり, 癌患者の死亡率を大幅に改善できるであろう.

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