(1629) オリックスのドン, 宮内 義彦氏と原発2014/08/11 02:26

政府の規制改革会議議長などを歴任したオリックスの宮内 義彦シニア・チェアマンは, その忌憚のない物言いからか, とかく誤解を招く事の多い人である様に思う.

けれども, 私個人的には好きな人である.

先日, 日経の 「大機小機」 と言う連載コラムに 「宮内氏の自問」 と題する記事が載っていた. (以下, 引用)

本紙電子版の経営者ブログで, オリックスのシニア・チェアマンの宮内 義彦さんが原子力発電について書いている.

福島第 1 原発事故を教訓に安全基準を引き上げ, 原発を再稼働したいと考えるのは 「ごく自然」 としながらも, 「本当にそれでいいのか分らない」 と宮内さんは悩む.

純粋なコスト論で再稼働を主張する経済人が多い中にあって, 宮内さんの自問は率直かつ真摯だ.

「多分必要だろう」 と思いながら, あれだけの事故を引き起こした原発を以前の様に動かせばいいのか, 踏ん切りが付かない人は案外多い.

原発問題は余りに多面的である.

企業から見ればエネルギーコストの問題だが, 米国の核抑止力の一端を担うという意味では経済を超えた安全保障の観点も避けて通れない.

20 世紀初頭からの核物理学の進展に対する日本の輝かしい貢献は原子力を抜きに語れない.

他方, 事故が起きて暴走を始めた原子炉を人間が制御できるのか, 不安は消えない.

最近の一部報道は電力会社と政界の長年に亘るカネの繋がりを明るみに出した.

危険な業務に従事する原発労働者をどう確保するかも直視すべき課題だ.

宮内さんは福島事故に関する国会や政府の検証作業も 「ストンと胸に落ちない」 と指摘する.

原発事故から金融危機, STAP 細胞, サッカーのワールドカップ敗戦まで事後検証が苦手なのが我が国の欠点と指摘されて久しいが, 原子力はその最たるものかもしれない.

様々な矛盾を抱える原子力をこれまでの様な 「国策民営」 で動かして行けるのかが今, 問われている.

集団的自衛権に執念を見せる安倍 晋三首相も, 原子力では腰が引けている.

戦後政策を牽引して来た自民党, 経済産業省も電力会社と原子力規制委員会の陰に隠れ, 無責任さが際立つ.

今から 50 年ほど前, 国鉄立て直しへ総裁として送り込まれた三井物産元社長の石田 礼助は, 国会議員を前に 「国鉄が今日の様な状態になったのは諸君たちにも責任がある」 と言ってのけた (城山 三郎 「粗にして野だが卑ではない」).

原子力の現状もまさに 「諸君たちの責任」 でもある.

福島事故以来, 初めての原発ゼロで夏を乗り切れば, 宮内さんの様に自問し答えを出せない層が増えて行くだろう.

政府・自民党はそれでいいのだろうか.

今回の 「大機小機」 の筆者 "三剣" 氏は, 原発再稼働問題の本質をこのように整理した形で提議している. その点においては流石プロである.

私も, 原発再稼働については同じ様な懸念を持っている.

また, 安倍サンが, 本件では珍しく腰が退けているのも否めない処である.

この種の問題で何時も壁に突き当って堂々巡りするのは, 石田 礼助氏の言葉通りであり, 「(その様な政治家を選んだのも) 我々自分たちの責任」 でもある, と言う事実なのである.

Have a nice day!
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