(4900) トリチウム, 人体への影響軽微2023/04/01 02:01

今回も, 中川 恵一東京大学病院准教授が日経に連載している 「がん社会を診る」 からの以下引用です. 参考にして戴きたい.

東日本大震災から 12 年が過ぎました.

前回に続き, ALPS (多核種除去設備) 処理水の海洋放出について考えたいと思います.

ALPS でも水素の放射性同位元素であるトリチウムは取り除けません.

但し, トリチウムの人体への影響は極めて軽微と言えます.

放射能 (1 秒間に出る放射線の量) の単位はベクレル, 放射線の人体への影響はシーベルトで表します.

今も世界の原発からトリチウムを含む水が放出されています.

日本の場合, トリチウムの安全基準は 1 リットル当り 6 万ベクレル,

数字としては大きい値にみえますが, この濃度の水を毎日 2 リットル飲み続けるとすると, 1 年当りの被曝量は 0.8 ミリシーベルトになります.

トリチウムが出す, ごく弱いベータ線が到達できる距離は平均で 0.56 マイクロ (マイクロは 100 万分の 1) メートル, 最大でも 6 マイクロメートルです.

細胞の大きさは約 10 マイクロメートルですから, 核の中の DNA への影響は殆どありません.

東京電力福島第 1 原子力発電所の事故で問題となったセシウムは, 透過性が高いガンマ線を出します.

ベクレルで表す放射能が同じでも, シーベルトで示す健康影響は, トリチウムの 1000 倍近いものとなります.

政府が 2023 年に予定している ALPS 処理水の海洋放出は, 前述の安全基準の 40 分の 1 未満まで希釈します.

これは世界保健機関 (WHO) が定める飲料水の基準の約 7 分の 1 に相当し, 毎日 2 リットル飲み続けても年間の被曝量は 0.02 ミリシーベルトに過ぎません.

私たちは毎日, 放射線を浴びながら暮しています.

大地や宇宙から受ける外部被曝と、食物中の天然の放射性物質や空気中のラドンから受ける内部被曝を合計すると, 日本平均で年間 2.1 ミリシーベルトになります.

自然被曝の世界平均は 2.4 ミリシーベルトです.

ウラン鉱石など天然資源が豊富なフィンランドでは食品由来の内部被曝を除いても年間 7 ミリシーベルトを超えます.

スウェーデンは 6 ミリシーベルト, フランスでも 5 ミリシーベルト程度ですから, わが国の自然放射線は少ないと言えます.

ただ, 日本の医療被曝は 2.6 ミリシーベルトと世界トップクラス.

自然被曝と合わせると 1 年で 5 ミリシーベルト程度の放射線を浴びている訳です.

福島第 1 原発に近い海域の魚を多く食べる事を想定しても, 海洋放出に伴う放射線被曝は, 年間自然被曝の約 100 万分の 1 から 7 万分の 1 に過ぎません.

東京とニューヨーク間を航空機で往復すると, 0.1 ミリシーベルトは被曝します.

これは年間自然被曝の 20 分の 1 に相当し, 海洋放出の影響の小ささが分ります. (引用終り)

本日のカット写真 : 下平 宏氏フォトギャラリーから (桜で囀るウグイス)

Have a nice weekend!
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