(5115) ちょこっと運動に予防効果2023/11/02 01:45

昨日に引き続き, 今回も, 中川 恵一東京大学病院准教授が日経に連載している 「がん社会を診る」 からのi以下引用です. 参考にして戴きたい.

今回も運動による癌予防を考えます.

禁煙, 節酒, 減量と言った 「控える系」 と違い, 運動は積極的に癌を予防する手段の代表です.

基本的には, 多いほど予防効果は高く, 週 1 回より 2 回, 2 回より 5 回の方がプラスです.

世界的なガイドラインでは, 1 日 30 分, 週 5 日以上の運動が推奨されています.

このガイドラインに沿った運動をする事で, 膀胱癌, 乳癌, 大腸癌, 子宮体癌, 腎臓癌, 胃癌の発症リスクが 10 - 20% 低下する事が明らかになっています.

一方, 日本では運動習慣を 「1 回 30 分以上, 週 2 回以上の運動を 1 年以上継続する」 と定義しています.

国際的には甘いこの基準をクリアしている日本人の割合は男性は約 33%, 女性で 25% に止まります.

男女とも 70 代が最も高い一方, 仕事や育児で忙しい男性の 40 代, 女性の 30 代が最低となっています.

更に, この 10 年間で, 女性は寧ろ減っています.

コロナで当り前になった在宅勤務は, 通勤位しか体を動かさない会社員にとっては更にマイナスです.

尚, 長時間座っている事は, 癌のリスクを高めます. 長く座る人は座らない人より癌による死亡率が 8 割も増える事が分っています.

在宅勤務の健康へのマイナスはもっと知られて良いと思います.

さて, 「運動と言えば通勤」 派に朗報となる研究結果が最近公表されました.

僅か数分の運動でも癌の発症を減らす効果があると言うものです.

シドニー大学の研究者らは 「余暇に運動はしない. 毎週決まった散歩もしない」 と答えた成人約 2 万 2 千人を対象に, 日常生活で断続的に行われる高強度の運動 (VILPA, ビルパ) を運動センサにより記録し, 癌の発症リスクとの関係を調査しました.

ビルパとは 「階段を 1 分間上る」, 「早足で 2 分間歩く」 と言ったもので, 通勤中にも行える運動です.

1 日に占めるビルパの時間が長い程, 癌になる可能性が低い事が明らかになりました.

その時間の短さが要注目です.

例えば 1 日に全くビルパをしなかった場合に比べて, 合計 3.4 分間のビルパをするだけで, 癌になる危険は 17% 減っていました.

4.5 分間のビルパなら 20% 減でした.

癌予防と健康長寿の為には定期的な運動が何と言ってもオススメです.

ただ, 運動の習慣がない方でも, ビルパで少しでも癌を予防する事が出来ると言う事です.

この点, 呉々も誤解なきよう.

Have a nice day!
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