松兼 功 著 『障害者に迷惑な社会』 (晶文社) から2011/01/27 02:27

先天性の脳性麻痺で四肢機能障害を負っている, エッセイストの松兼 功さんをご存知だろうか?

松兼さんは原稿を書くのに, 鼻でパソコンのキーを打っているそうである.

1960 年の生まれで, 筑波大学を卒業. エイブル・アート・ジャパン副会長, 財団法人たんぽぽの家理事などを務める傍ら, 作詞家としても活躍, 第 29 回ポプコンの優秀曲, 加藤 かおるの 「優しさのエキストラ」 も手掛けた多才な人である. 

お酒が好きで, 居酒屋ではビールをストローで飲んでいるとの事.

その松兼さんが次の様に言っている.

「ハンディを持つ人が何かを為し遂げた時 "障害を乗り越えて" と言う決まり文句で報じられる事が多い.

が, 障害, ハンディは乗り越えられるものではない. ハンディを個性として生きているだけ.

障害者問題と言うけれど, 人間誰しも年を重ねるに連れ, 身体機能は低下する.

詰り, みんなが少しずつ障害者に近づく訳だから, 国民全体の問題である筈だ」 と.

我々健常者は, 障害を持つ人に対して、ともすると, 一段高い処から見ようとする.

それは, 障害者にとっては, 或る意味 「迷惑な」 行為にもなりかねない, と言う点にはなかなか気付かないものなのである.

『障害者に迷惑な社会』 を読むと, 障害者と同じレベル, 同じ視点に立って, 初めて障害者の世界が見えて来るものがある, と言う事を忘れてはならない事に気付かされるのである.

"子供叱るな来た道じゃ, 老人嗤うな往く道じゃ" と言う言葉がある.

そう, 誰しも一歩一歩, "障害者" に近づいているのである.

やがて自分が障害者の仲間入りをした時, 今まで過して来た健常者の社会が 「迷惑」 なものであってはならない筈である.

Have a nice day!
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