花粉症の 「源」 構造解明2011/11/19 03:01

このほど, 京大・九大・米スルリプス研究所の共同研究チームは, 世界で初めて, 花粉症などのアレルギー症状を惹き起す蛋白質 「ヒスタミン H1 受容体 (H1R)」 の立体構造を解明したとの事.

H1R の立体構造が解明され, 結合部分の分子レベルの形が突きとめられた事は, 即ち, H1R にのみ結合し, 副作用の少ない, 効率的な治療藥の開発に道を開いた事を意味する.

花粉症に代表されるアレルギー症状は, 死に至る病ではないとは言え, その辛さは, 花粉症に罹った経験のない人には解らないであろう.

クシャミと鼻水とで, 最悪期には全く何も出来ないのである.

鼻が詰まるので, 口を開けて寝ると, 喉が痛くなって夜も眠れなくなってしまう.

長年, 花粉症に苦しんできた私などは, 花粉症の特効薬を開発した人はノーベル賞ものである, と大袈裟でなく信じて来たほどである.

H1R は, 花粉などの刺激により, 体内で放出された炎症物質と結合し, 花粉症などのアレルギー症状を引き起こす蛋白質で, 治療薬が作用する標的蛋白質である.

従来の治療薬である抗ヒスタミン藥は, H1R 以外の受容体にも結合し易く, 眠気や口の渇き, 不整脈などの副作用を伴っていた.

膜蛋白質の H1R は水に馴染む部分と油に馴染む部分とがあり, 水に溶けやすい細胞内の蛋白質と違い, 精製や結晶化が難しく, 立体構造が解明されていなかったのである.

然るに, チームは, 酵母を使って H1R を大量に精製, 細胞膜に似た環境をつくって結晶化し, X 線を用いた構造解析で解明に成功したと言う.

今や花粉症は, 5 人に 1 人が悩まされており, 国民病とも言われている.

特効薬の開発までには未だ道のりが遠いが, 大きく一歩を踏み出した事は間違いない. 花粉症の患者にとっては朗報である. 一刻も早い実用化が待ち遠しい.

Have a nice weekend!
-----------------------------------------------------------
はり・きゅう・マッサージ トミイ
http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html
(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)
往診も承っております.
心や身体に関する悩み事など, お気軽にご相談下さい.
E-Mail : tadashi.fukutomi@tcat.ne.jp
English speaking clients are welcomed!
Premium Healing Oil Massage is available!
学割適用始めました!