健康小話

てんかん患者の皮膚細胞から, あらゆる細胞に変化する iPS 細胞を作って神経細胞に成長させ, 脳内で起きている病態を再現する事に成功したと, 過日, 福岡大と慶応義塾大のﾁｰﾑが発表している.

脳は神経細胞で起きる, 電気活動の興奮と抑制のﾊﾞﾗﾝｽで正常な機能を維持している, と言われている.

ﾁｰﾑは, 難治てんかんのうち, 乳児に突然発症する 「ﾄﾞﾗﾍﾞ症候群」 の患者の皮膚細胞から iPS 細胞を作り, 複数の神経細胞に成長させている.

その再生神経細胞を用いて, 電気信号の測定などを行った処, 「脳の抑制機能を担う細胞で電気活動が低下している」 事が確認され, 「一部のてんかんは抑制機能が低下して発症する」 との従来の説が裏付けられたのである.

今後, てんかんの仕組みの解明や, 新たな治療の開発に繋げたい考えだと言う.

処で, てんかんの持病を持った運転者が事故を起こした事件は少なくない.

2011 年 4 月, 栃木県鹿沼市内の国道で 26 歳の男性てんかん患者が自走式ｸﾚｰﾝ車を運転中に発作を起こし, 登校中の小学生の列に突っ込み, 6 人が死亡している.

また, 2012 年 4 月には, 京都市東山区の祇園で, 30 歳男性の運転する軽ﾜｺﾞﾝ車がﾀｸｼｰに追突. その後暴走, 歩行者を次々と撥ね, 運転者を含む 8 名が死亡, 11 名が重軽傷を負った.

何れの事故も, 運転者はてんかんの持病があったが, 運転免許更新時に申告せず運転を続けていたと言う.

てんかんの持病があっても, 条件付きで車の運転は出来るのであるが, 事故を起した運転者は殆どが, 運転に際しての条件を守っていなかったのである.

てんかんは完治がなかなか難しい疾患であるだけに, 新たな治療薬の開発が望まれているのが実態なのだ.

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