(1469) 五味 - 酸・苦・甘・辛・鹹 (カン) ― 2014/03/04 02:53

「オテル・ドゥ・ミクニ」 (東京・四ツ谷) のオーナーシェフである三国 清三さんがこんな事を言っている (日経 「こころの玉手箱」).
"日本各地の小学校を回り, 食育プログラム 「KIDS シェフ」を 2000 年から始めたのも, 12 歳前後までに味覚を鍛えておく事が大切という考えからだ.
永久歯に生え変る時期もそうだが, 12 歳前後は味を感じる舌の味蕾の数もピークに達するそうだ.
食材の 5 味こそが, 人の脳を刺激し, しっかりとした五感を育て上げるものだと思っている.
故郷, 増毛町の小学校を訪ねた時, 子どもたちは 「SMAP」 や 「AKB 48」 は知っていても, 地元で採れるウニやアワビの実物を見た事がなかったのはショックだった.
KIDS シェフは地元の食材を中心に, 子どもたちにメニューも考えて貰い, それをもとに僕が地元のシェフと一緒に作り, みんなで食べる."
本ブログでは, これまでにも, 健康長寿社会を目指すには, 子どもに対する 「食育」 が大切である事を紹介して来た.
ファーストフードの弊害が昨今顕著になって来ているからだ.
冒頭に引用した三国さんの言う 「5 味」 とは何だろうか?
味覚の分類には, 幾つか考え方があり, 古代ギリシア時代, 哲学者のアリストテレスは, 甘味, 塩味, 苦味, 辛味, 酸味, 収斂味 (渋味に相当する味), ざらざらした味, の 7 種に分類していた.
一方, 東洋医学 (五行説) では, 酸 (酸っぱい), 苦 (苦い), 甘 (甘い), 辛 (辛い), 鹹 (しょっぱい) を 「五味」 と称しており, この分類が, 現在も最も一般的の様だ.
処で, 健全な味覚を養う上で, 欠かせないのは 「苦味」 である, との説がある.
酸味は, クエン酸など, 疲労回復に必要な栄養素でもあるが, 食べ物が腐敗している時などにも 「毒物」 として警告を我々に発してくれる味覚でもある.
同様に, 苦味も 「毒物の存在」 の危険性を知らしめてくれる重要な味覚である.
ヒトは, 受胎して 12 週目には, 既に成人と同じ様な形態の味蕾が形成され, 3 - 9 ヶ月で味を感じる能力を獲得する, との説がある.
例えば, 新生児に様々な味のする溶液を与えると, その表情から, 甘味については喜んで受け容れるが, 酸味と苦味については拒否する, との観察結果を, イスラエルの某研究者が発表している.
また, 最近になって, 昆布や鰹節などに含まれている 「旨味」 成分が, 日本料理を日本料理足らしめる基本味覚である, との考えが, 欧米においても注目を集める様になっている.
今や 「旨味」 は 「umami」 と言う英語が, 世界的に通用する程, 新しい味覚成分として認知されているのである.
旨味成分の素はグルタミン酸 (アミノ酸) であるが, 日本には, 味噌や醤油を初めとする醗酵性の調味料や, 昆布や鰹節などから採る出汁 (ダシ) など, 料理の奥深さと繊細さとを演出する食材が発達してきたのである.
健全な味覚を未来の子どもたちに伝えて行くためにも, 三国さんの様な活動を, 全国で展開出来ないものか, と感じた次第である.
本日のカット写真 : 氷に覆われたスロベニア地方
Have a nice day!
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・この 「健康小話」 のブログは, はり・きゅう・マッサージ トミイ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のブログです.
・鍼・灸・マッサージ・按摩・指圧を初め, 広く, 東洋医学や健康, 人としての生き方等に関して, 日頃感じている事を書いて行きます.
・なお, 診療予約時, 「このブログを読んだ」 と言って戴いた患者さんは, 初診料が半額となります.
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(E-Mail : tadashi.fukutomi@tcat.ne.jp)
・English speaking clients are welcomed!
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・学割適用始めました.
・モニター希望者募集中. (詳細お問合せ下さい.)
"日本各地の小学校を回り, 食育プログラム 「KIDS シェフ」を 2000 年から始めたのも, 12 歳前後までに味覚を鍛えておく事が大切という考えからだ.
永久歯に生え変る時期もそうだが, 12 歳前後は味を感じる舌の味蕾の数もピークに達するそうだ.
食材の 5 味こそが, 人の脳を刺激し, しっかりとした五感を育て上げるものだと思っている.
故郷, 増毛町の小学校を訪ねた時, 子どもたちは 「SMAP」 や 「AKB 48」 は知っていても, 地元で採れるウニやアワビの実物を見た事がなかったのはショックだった.
KIDS シェフは地元の食材を中心に, 子どもたちにメニューも考えて貰い, それをもとに僕が地元のシェフと一緒に作り, みんなで食べる."
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ファーストフードの弊害が昨今顕著になって来ているからだ.
冒頭に引用した三国さんの言う 「5 味」 とは何だろうか?
味覚の分類には, 幾つか考え方があり, 古代ギリシア時代, 哲学者のアリストテレスは, 甘味, 塩味, 苦味, 辛味, 酸味, 収斂味 (渋味に相当する味), ざらざらした味, の 7 種に分類していた.
一方, 東洋医学 (五行説) では, 酸 (酸っぱい), 苦 (苦い), 甘 (甘い), 辛 (辛い), 鹹 (しょっぱい) を 「五味」 と称しており, この分類が, 現在も最も一般的の様だ.
処で, 健全な味覚を養う上で, 欠かせないのは 「苦味」 である, との説がある.
酸味は, クエン酸など, 疲労回復に必要な栄養素でもあるが, 食べ物が腐敗している時などにも 「毒物」 として警告を我々に発してくれる味覚でもある.
同様に, 苦味も 「毒物の存在」 の危険性を知らしめてくれる重要な味覚である.
ヒトは, 受胎して 12 週目には, 既に成人と同じ様な形態の味蕾が形成され, 3 - 9 ヶ月で味を感じる能力を獲得する, との説がある.
例えば, 新生児に様々な味のする溶液を与えると, その表情から, 甘味については喜んで受け容れるが, 酸味と苦味については拒否する, との観察結果を, イスラエルの某研究者が発表している.
また, 最近になって, 昆布や鰹節などに含まれている 「旨味」 成分が, 日本料理を日本料理足らしめる基本味覚である, との考えが, 欧米においても注目を集める様になっている.
今や 「旨味」 は 「umami」 と言う英語が, 世界的に通用する程, 新しい味覚成分として認知されているのである.
旨味成分の素はグルタミン酸 (アミノ酸) であるが, 日本には, 味噌や醤油を初めとする醗酵性の調味料や, 昆布や鰹節などから採る出汁 (ダシ) など, 料理の奥深さと繊細さとを演出する食材が発達してきたのである.
健全な味覚を未来の子どもたちに伝えて行くためにも, 三国さんの様な活動を, 全国で展開出来ないものか, と感じた次第である.
本日のカット写真 : 氷に覆われたスロベニア地方
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