(1832) 薬効かない菌, 世界で急拡大, 「2050 年 1000 万人死亡」2015/03/02 01:49

この間の日経によると, 抗生物質などの薬が効かない薬剤耐性菌が世界で急速に拡大していると言う.

2050 年には年間 1 千万人が耐性菌によって死亡するとの予測もあるらしい.

抗生物質の使い過ぎなどが背景にあるとされ, 事態を重く見た世界保健機関 (WHO) は対策を強化. 専門家は危機に対応する国際的な枠組み作りを呼び掛けている.

エボラ出血熱の場合は, 有効な薬の開発が遅れている事から, 感染の拡大阻止に苦労して訳であるが, これ一事を採っても, 2050 年に 1000 万人と言う数時が決して大袈裟なものではない事が解る.

キャメロン英首相が立ち上げた耐性菌に関する調査チームは, 昨年 12 月に初の報告書を公表している.

それによると, 効果的な措置を講じなければ, 耐性菌による年間死者数は 50 年に現在の 70 万人 (推定) の 14 倍以上に当る 1 千万人になると予測している.

地域別では, アジアが 473 万人で最も多く, アフリカ 415 万人, 南米 39 万 2 千人, 欧州 39 万人などとなっている.

また, 耐性菌拡大に伴う医療費負担増大も懸念されている.

報告書は「効果的な抗生物質がなくなれば, 手術の際に感染症の危険が大きく高まる」と指摘.し, 更に「世界各国, 特に (中国やインドなど) 新興国にとって保健, 経済上の深刻な結果を齎す恐れがある」と警告している.

本ブログでも過日採り上げた様に, WHO も昨年 4 月の報告書で耐性菌の拡大に警鐘を鳴らしている. 同 5 月の総会では各国に早急な対策を促す決議を採択してもいる.

今年 5 月の総会では耐性菌対策に関する行動計画策定に向けた議論が行われると言う.

だが, 一部の専門家は現行の取り組みは不十分だと指摘,, 米国や英国, スウェーデンなどの専門家グループは 2 月, WHO 機関誌に論説を発表, 耐性菌対策のための法的拘束力のある国際的枠組み作りを訴えている.

耐性菌を巡っては, 医療現場でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) や, 殆どの治療薬が効かない多剤耐性緑膿菌などが特に問題になっているのは周知の事実である.

WHO は抗生物質の処方を最小限に抑えるよう医療従事者に勧告している.

どちらかと言えば, 抗生物質の投与が過剰気味と言われる我が国では, 抗生物質に限らず, 薬剤全般の使用を削減する方向で知恵を絞って行く事が求められているのである.

本日のカット写真 : 下平 宏氏提供 (オオハクチョウ・シリーズ)

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