腸を知る - (5) 「第二の脳 : 腸」 と東洋医学2011/09/03 03:37

以上, 藤田先生の説を紹介した訳であるが, 実は, 東洋医学においても, 腸は非常に重要な臓器と考えているのである.

例えば, 鍼灸学校に入って, 先ず 「この本を読みなさい」 と勧められる筆頭に挙げられるのは (教科書は別として), 故・代田 文誌先生の 「鍼灸真髄」 と 「鍼灸治療基礎学」 の 2 冊である.

大正から昭和期に活躍した鍼灸師・澤田 健先生は, 間違いなく, 現代日本鍼灸の 「中興の祖」 の一人である.

その大先達・澤田先生の創始した 「太極療法」 を書物によって今に伝えた点に代田先生の偉大さの一つがある.

その代田先生は, 色々な疾病の治療において, お腹にある 「中脘 (チュウカン)」 や 「天枢 (テンスウ)」 「関元 (カンゲン)」 と言ったツボ (経穴) を必ずと言っていいほど用いている.

これは, 藤田先生が 「腸は第二の脳」 或いは 「独立王国」 と称している点とも共通する部分がある事を, 代田先生は既にご存じであったからでもあろう.

例えば, 中脘は胃経の, 天枢は大腸経の, 関元は小腸経のそれぞれ "募穴" となっている.

募穴とは, 臓腑の気が胸腹部に結集する経穴 (ツボ) の事である.

募とは, 「集まる」 とか 「結集する」 と言う意味である.

東洋医学では, 五臓六腑の気は体表 (胸腹部) に投影する, 詰り, 敏感に反応する経穴を 「募穴」 と定めている.

更に専門的になるが, 中脘は 「八会穴」 の一つ 「腑会 (フエ)」 でもあり, 臓腑の精気が集まる特別な経穴とも見做されている.

消化機能を担う, 胃・小腸・大腸の機能を, 上述の経穴で調整する訳なのである.

上記からもお解りの様に, 東洋医学の理論と言うのは, 古くて新しい, 然も, 奥深いものなのである.

Have a nice weekend!
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