(1650) 走る化粧室2014/09/01 02:41

電車の中で, 手鏡を取り出し, 何の臆する処なく, それも長時間, 化粧を施している若い女性を目にする様になってから随分久しい様な気がする.

何とも異様な感じを抱いているのは, 私だけではなかった様だ.

いつぞや, 日本文化研究者のマイク・モラスキー氏が, 日経夕刊のコラム 「プロムナード」 に次の様に寄稿している.

例えば, 2, 3 週間前に午前 11 時頃, 中央線に乗っていた.

10 数年に亘り使ってきた沿線だけに, フォームからどの車両に乗れば便利か, 車両がどこで大きく揺れるなども知り尽くしており, 驚かされる様な事は滅多にない.

処が, あの日は一寸したカルチャーショックを受けた.

と言うのは, 直ぐ隣に座っていた二十代の女性がバッグを開け, 化粧品を次々と取り出し, そして本格的にメークに掛かったからである.

勿論, 以前にも車内で一寸メークをやり直す女性の姿は見た事があるが, 離れて座っていたし, そんなに長続きしなかったが, 今回は匂いがぷんぷんと鼻に着くし, 然も延々と続いたから呆れてしまった.

内心, 「俺が髭剃りでもして, 見せてやろうか」 と一言意地悪も投げ掛けたくなったが, 何とか堪えられた.

彼女は, まさに異文化の感覚の持ち主だと言える.

謂わば公的な場所に私的な行為を無理やり持ち込んでいる様に感じられ, 私も中央線の中で一寸した海外旅行してきた気分だった.

但し, 愉快な旅ではなかったし, 電車を降りたら急に一風呂を浴びたくなった訳だ. 最近は疲れ易くなっているらしい.

と, 以上の如く, 長年日本に住み慣れた外国人にも異様に映る光景の様だ.

「やまとなでしこ」 の奥床しさは何処に行ってしまったのだろう?

Have a nice day!
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