(3059) 大学広報と危機管理2018/06/22 03:36

佐藤 卓己京都大学教授が日経夕刊のコラム 「あすへの話題」 で過日, 表題の一文を寄稿しておられた. ( 以下引用)

先月は 「アメフト事件」 の記者会見をリアルタイムで見続けた.

テレビは録画が普通の私にとって異例の事である.

反則タックルは言語道断で人並みに義憤を感じたが, アメフトと言うスポーツに特別な関心はない.

寧ろ, もともと広報学と呼ばれていた科目 (現・メディア文化学) の担当者として, 大学広報部のメディア対応が格好の教材に思えた.

無論, 反面教材である.

何ごとであれ, 成功例より失敗例に学ぶべき事は多い.

私は講義の冒頭で, 宣伝 propaganda と広告 advertisement と対比させて, 広報 public relations をこう定義している.

政治領域の宣伝, 経済領域の広告の中間領域にある合意形成活動である, と.

その機能では, 操作する manipulate 宣伝, 説得する persuade 広告に対して, 納得させる convince 広報と分ける事も出来る.

また, 宣伝や広告が短期的, 即時的な効果を目指しがちなのに対して, 広報は長期的な影響に照準を合わせるのが普通である.

このアメフト事件では加害者選手, 監督・コーチ, 大学長と三つの記者会見を見た訳だが, 「広報」 として成功したのは視聴者が納得した学生の会見だけだった.

言い訳 (情報の操作) に終始する監督・コーチ会見も, 組織防衛 (内向きの説得) を優先する学長会見も, それぞれ逆効果の 「宣伝」, 出来の悪い 「広告」 に見えた.

とは言え, 大学側の対応の悪さを 「危機管理」 と言う言葉で批判する言説には違和感を覚えた.

危機管理とは危機が発生する以前の予知・予防の重要性を強調する概念であり, 泥縄の事後処理で成功した事例など殆ど存在しないからである. (引用終り)

3 者の会見について私が受けた印象も, 佐藤先生の意見と略同様のものであった.

加害学生以外の会見は 「言語 (不) 明瞭, 意味不明瞭」 であった

日大は 「危機管理学部」 を設けているそうであるが...

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (コアジサシ求愛給餌)

Have a nice day!
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