健康小話

1970 年代頃までは, 皮膚はﾊﾞﾘｱを作る機能しかないと考えられて来た.

然し, 80 年代に入ると, 表皮に神経情報物質があることが実証されるようになり, 免疫に関わるｻｲﾄｶｲﾝが, 免疫細胞からのみでなく, 表皮のｹﾗﾁﾉｻｲﾄでも作られているという事が分ったのである.

表皮のﾊﾞﾘｱが破壊されると, ｹﾗﾁﾉｻｲﾄは炎症に呼応するｻｲﾄｶｲﾝを放出し, 通常は, 角層の下に溜められていたものが, ﾀﾞﾒｰｼﾞを受けて放出作用が起こるのである.

紫外線や化学物質の刺激も, 色々なｻｲﾄｶｲﾝ が関っていることが明らになっている.

灸治療においても, 皮膚に炎症を起こし, 免疫効果を高めることが機序となっている事から, 施灸は, このｹﾗﾁﾉｻｲﾄと関係があるものと考えられる.

ｱﾄﾋﾟｰ性皮膚炎なども, 表皮におけるｻｲﾄｶｲﾝの合成が盛んになっている, との報告がなされている.

このｹﾗﾁﾉｻｲﾄには受容体があり, 活性化すると免疫細胞の増殖が促進される, と言う事実が発見されたのは 2007 年, 今から僅か 4 年前のことである.

上述の如く, 皮膚の表面には, 水を通さない角層のﾊﾞﾘｱがある.

傳田理論の端緒となった, ｶﾘﾌｫﾙﾆｱ大学の実験では, 角層ﾊﾞﾘｱを壊し, 水を通さないｺﾞﾑの膜で皮膚を覆った処, ﾊﾞﾘｱの機能が戻らなくなってしまった.

次に水蒸気を通し, 蒸れが防げるｺﾞｱﾃｯｸｽで, 角層を剥がした後の皮膚を覆ってみると, ちゃんとﾊﾞﾘｱ機能が回復したという.

この結果から, 「皮膚のﾊﾞﾘｱを維持している機構は, 常に皮膚からの水分の蒸散量をﾓﾆﾀｰしてﾊﾞﾘｱ機能を一定に保つようにしている」 と結論づけられていた.

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はり・きゅう・ﾏｯｻｰｼﾞ トミイ
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