貝原 益軒の『養生訓』を読む (59)2012/03/05 03:21

食後に, 湯茶を以口をすゝぐべし. 口中清く牙歯にはさまれる物脱し去る. 牙杖 (ゲジョウ = 楊枝) にてさす事を用ひず. 夜は温なる塩茶を以口をすゝぐべし. 牙歯堅固になる. 口をすゝぐには中下の茶を用ゆべし. 是, 東坡が説なり. (巻第三 63)

食後には湯茶で口中を漱ぐのがよい. 口の中を清潔にし, 歯に挟まったものを除去できる. 爪楊枝を使うのは (空きっ歯になるので) 好ましくない. 夜は温かい塩茶で口を漱ぐのがよい. 歯根が丈夫になるからだ. 口を漱ぐための茶の温度は中の下ぐらいがよいと蘇東坡 (中国北宋の詩人) が言っている.

厚労省が「8020 運動」, 即ち, 80 歳の時に自前の歯が 20 本残っている事を目標にしよう, との啓蒙活動を行っている事は, 本ブログで既に紹介している.

歯槽膿漏など, 歯周病に罹ると, 糖尿病を初め, 感染性心内膜炎, 心臓血管疾患, 骨粗鬆症, 肺炎, 低体重児早産などの遠因になる事は皆さんご存知と思う.

高齢者でも元気な人は, 例外なく, 歯が丈夫な人である.

茶殻で嗽をすると, 風邪を引き難くなる, とも言われているが, これは経験的に導き出されたものであろう.

何れにせよ, 貝原 益軒の生きた時代における衛生思想は, 可成り高いレベルのものだった事が垣間見れるのである.

Have a nice day!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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