(1534) 拡大を辿る耐性菌2014/05/08 02:40

先頃, 世界保健機関 (WHO) は, 抗生物質が効かない耐性菌が世界で拡大傾向にある, との報告書を発表している.

報告書は, 114 カ国から集めたデータを基に作成したもので, カルバペネムが効かない肺炎桿菌は既に世界の全域に広がり, 一部の国では患者の半数以上で効果が出なかったと言う.

また, 大腸菌による尿路感染の治療に使うフルオロキノロンも, 効かない患者が半数を超える国がある様だ.

日本やフランス, オーストラリア, カナダ, 南アフリカなどでは, 淋病の治療でセファロスポリンを投与しても効果がなかった事例が確認されている.

一方, 体内にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌を持つ人は, 耐性のない黄色ブドウ球菌を持つ人に比べ, 死亡する確率が 64% 高まると推定. 耐性菌の感染で治療や入院が長引き, 医療費が膨らむ傾向もある, と報じている.

アフリカや米州の一部地域では, 黄色ブドウ球菌による感染のうち, 8 - 9 割が抗生物質メチシリンへの耐性を持っていたと言う.

WHO は耐性菌の拡大は既に深刻な状態にあると判断. 医療関係者らに抗生物質の処方を必要最低限に抑える事などを呼び掛けている.

WHO のフクダ事務局長補は 「関係者らが早急に連携して対応しなければ, 世界は 『ポスト抗生物質時代』 に突入する」 と指摘している.

具体的な対策として, 各国政府に調査・研究の強化などを求めた.

一般の患者に対しては, 他の人と抗生物質を分け合ったり, 過去に残した薬剤を服用したりするのは避けるべきだ, としている.

報告書では触れられていないが, 家畜の飼料や, 養殖魚の餌などにも大量の抗生物質が用いられている.

抗生物質を混ぜた飼料を与えて飼育された牛, 豚, 鶏など,の肉を食べる人間も耐性菌の感染に侵されている.

鯛やハマチなどの養殖魚の場合も同じ事が当て嵌まる.

特に, 安易に薬を処方する医師の多い日本においては, 抗生物質の投与過多には注意を払わねばならないだろう.

尤も, 薬を出さずとも病院経営が成り立つ様に, 医療の構造改革も必要になるのでろうが...

本日のカット写真提供 : 下平 宏 氏 (カワセミ・シリーズ :「求愛給餌」)

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