築山式なりたい自分をデザインする 「思考改善のコツ」 - Part (1)2010/06/04 21:29

脳神経外科医で, 「フリ-ズする脳」 の著者でもある築山節医師は, 思考の偏りや癖はどのようにして生じるのか, 脳から見た思考習慣のメカニズムと, それを改善するコツについて, 次の様に語っている.

・人間の脳は楽をしたがる

脳には 「楽をしたがる」 と言う基本的な性質がある.

一定の思考方法が定着すると, それ以外の働きを極力避けようとする. それが 「思考の癖」 の原型だ.

思考方法がパターン化すると, 新しい環境に適応したり, 新しいアイデアを生み出したりする事が難しくなる.

これを回避する一つの方法は, 生活の中に意識的に変化を持ち込むことである.

仕事の後に友人と会食をしたり, 趣味の活動をする. 或いは, 週末や休暇を利用して, 仕事とは関係の無い事に没頭してみる. そうすると, 脳が変化に対応しようと活発に活動するので, 思考がパターン化し難くなる.

脳のもう一つの特徴として, 「感情系」 の働きが他に優先する事が挙げられる.

人は何かに接すると, 最初に 「好きか嫌いか」 「得意か苦手か」 と言った価値判断をしてしまう. これも一種の癖と言える.

・感情を抑制し, 冷静になる方法

然し, 仕事や対人関係においては, この感情系の働きを抑制し, 理性的に振舞う事が求められる.

その習慣を身に付けるためには, 実は身体を小まめに動かす事が大切である.

運動機能は感情機能を抑制する.

日常的な散歩だけでも, 脳の感情系の働きは自然と抑制されるので, 理性的な行動が可能となる.

更に, 体験した事実を言葉として出力する事も大切. 誰かに話したり文字にしたりする事で, 脳に一度インプットされた情報は, 感情から離れた客観的な情報として脳に再入力される.

これによって, 事実をより冷静に捉える事が出来る様になる.
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築山式なりたい自分をデザインする 「思考改善のコツ」 - Part (2)2010/06/05 20:54

また, 築山節医師は, 働く女性へのアドバイスとして, 次の様に 10 カ条を挙げている.

・働く女性が知っておきたい 「脳をより良く働かせる生活習慣」 10 カ条

1. 朝は決まった時間に起きる

脳を活発に働かせるには, 意識的にスイッチを入れる必要がある. 生活のスタート時間を決めれば, 毎日同じ時間に脳にスイッチが入り, その後の活動に対応し易くなる. また仕事も, 常に脳がオンになった状態から始められる.

2. 行動予定を書き出す

行動予定をしっかり立て, それに従ってスムーズに行動する事は, 脳の負担を減らす事になる. 先に何をすべきかが予め判っているので, 脳の働きをより重要な作業に集中させる事が出来る. 計画的な行動は, 脳の働きを効率化する.

3. 机周りの整理をする

身の周りが整理されていれば, 目から入る情報も整理された状態で脳に届く. その結果, 頭の中も自ずと整理される事になる. また, 整理整頓は, 脳を 「適度に動かしながら休める」 作業なので, 仕事中にリフレッシュにも最適である.

4. 人を好意的に評価する

人や物事を否定的に見ると, 脳の働きが局所的になってしまう. 結果, 入ってくる情報も制限される. 一方, 好意を以って接すると, 脳は太衝の全体を捉えようとするので, 多くの情報を吸収できる事になる.

5. 「嫌な事」 をなくそうとしない

好きな事や得意な事だけを続けていると, 脳の感覚が鈍化する. 逆に, 嫌な事が多少あると, 好きな事がより楽しく感じられる. 苦手な人や嫌いな物事は, 「脳のバランスにとって必要だ」 と考えるのがよい.

6. 「誰のためか」 を意識する

目標や目的が明確なほど, 脳は意欲的に働く. 今やっている仕事が誰のためになるのかを意識する事は, 脳に具体的な目的を与える事になるので, 脳の働きが活発になり, 仕事の生産性も向上する.

7. 短時間で終る仕事を増やす

脳の高度な働きが維持するのは 1 時間程度である. 仕事は 1 時間やったら少し休むくらいのペースで行なうのがよい. また, 1 時間を仕事の 1 単位とする事で, その都度脳が達成目標を得られると言う効果もある.

8. 仕事以外の雑用を積極的に行なう

ほぼ目と手しか動かさないパソコンでの仕事は, 脳の機能の一部だけが働いているアンバランスな状態になっている. 意図的に細かい雑用などをこなすと, 脳の様々な機能が働くので, 脳全体の活性化が期待できる.

9. 睡眠をしっかり取る

身体の組織は, 寝ている間に修復され, 健康な状態に保たれる. 睡眠時間が足りないと肌が荒れたりするのはその為である. これは脳も同じで, 睡眠が不足すると組織が充分に修復されないので, 働きが鈍くなってしまう.

10. 「昨日の自分」 と 「今日の自分」 を分けて考える

「昨日の自分」 を 「今日の自分」 から振り返り, 脳が一旦リセットされた状態で過去の自分を見直してみる. それによって, 自分の感情や行動の傾向をより冷静に, より深く検証する事が出来る.

以上であるが, 働く女性に限った事ではなく, 誰もが, 日常生活を送る上での心構えとして知っておいて損はない項目ばかりである.
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深沢七郎著 『楢山節考』2010/06/06 21:26

深沢七郎 (1914 - 1987) と言う作家をご存知だろうか?

その人生はなかなか一筋縄では理解し難い一生を送っている.

少年時代はギター演奏に熱中, 戦時中に 17 回のリサイタルを開き, 戦後は, (知る人ぞ知る) 日劇ミュージックホールにも出演. 1956 (昭和 31) 年, 『楢山節考』で第 1 回中央公論新人賞を受賞, 作家生活に入る. 以後, 『東北の神武たち』 や 『笛吹川』 他を発表. 然し、1960 年の 『風流夢譚』 がテロ事件 (所謂, 嶋中事件) を誘発した事から放浪生活に. その後埼玉県菖蒲町でラブミー牧場を営んだり, 今川焼きの店を開いたりしながら 『甲州子守唄』, 『庶民列伝』 などを著し, 1979 年には 『みちのくの人形たち』 で谷崎潤一郎抄賞を受賞と, なかなか数奇な一生を送っている.

『楢山節考』 は, 日本各地の村落共同体に言い伝えられてきた "姥捨て" 伝説 (働けなくなった老人は家族に迷惑を掛けまいと, 山中で死を迎えるべく生きたまま棄てられる) をもとに書かれた小説である.

『楢山節考』 は, 正宗白鳥をして 「人生永遠の書」 と言わしめた程の深沢七郎の傑作で, 1958 年には木下惠介監督 (出演 : 田中絹代, 高橋貞二)、1983 年には今村昌平監督 (出演 : 坂本スミ子, 緒方拳) と, 二度も映画化されている.

私は, 今村昌平監督の映画しか観ていないが, 孝行息子の辰平が胸の張り裂ける想いで, 老母のおりんを背負って神のいる楢山へと向って行くのである. おりん婆さんを演じた歌手の坂本スミ子が, 老婆になりきるべく, 自分の歯をへし折ってまで役作りに工夫した, と後になって知った.

親子関係を見直す良いきっかけとなる映画である. 一度, ご覧戴きたい映画である. (勿論, 深沢七郎の原作も一読しておいて損はない名作である. 取分け, 親の介護問題を抱えている, 50 代, 60 代の我々には考えさせられる事の多い本である.)

最近は, 色々な問題を抱えながらも介護保険が整い, 各種介護施設で高齢者の面倒を看てくれる様にはなった.

従って, 問題を自分独りで抱え込まず, 出来るだけ、この様な公的機関を出来るだけ活用すべきであると思う. が, 我々, 日本人社会は, 「他人に迷惑を掛けない」との考え方に囚われ過ぎて来たような気がする.  

然し, 利用したくとも, 大概の場合は順番待ちで, その様な公的施設で介護を受けられる人は恵まれた (?) 方で, 核家族化が進み, 「老々介護」 とか 「認々介護」 と言った現実も決して珍しくはなく, それ故, 時には, 介護疲れから痛ましい事件に至ったりもしているのは, 誰しも承知している処である.

今後, 益々高齢化社会が進展して行く中, 少子化問題同様, 孤立化を辿る高齢者の安心・安全を如何に確保して行くか, 政府の本腰を入れた取り組みが望まれるところである.
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由美かおる式 「何時までも若さを保つ法」2010/06/07 21:26

この欄の最初の頃の連載で, 由美かおるが何時までも若く美しい姿形を保っている秘訣は, 「西野式呼吸法」 にあることを紹介した.

今日、偶々車を運転中にラジオで NHK の番組を聴いていたら、由美かおるがゲストに招待され, 若さを保つ秘訣を披瀝していた.

運転の都合で, 途中, 中断したり, 最後まで聴く事が出来なかったが, 私が推定した様に, 由美かおるが若さと美しさを保っている秘訣は, やはり, 「西野式呼吸法」 を毎日実践しているからだ, と明言していた.

繰返しにはなるが, その西野式呼吸法の要点は幾つかあるけれども, 骨子は腹式呼吸 (足芯呼吸) とリラクセーション (揺らぎ) によるストレスの解放にある.

腹式呼吸 (足芯呼吸) により, 心身のストレスを取除き、「気 (生命エネルギー)」 の力を高め、免疫力と自然治癒力とを向上させる訳である。

由美かおるは, 毎日がとても忙しく, 時間を掛けて所謂 「美容法」 をしている時間がなく, やっているのは 「足芯呼吸」 のみだと言う.

また, 絵を描くのが趣味であり, 毎朝 NHK の 「英語会話」 を聴いて英会話の研鑽に努めているのだと言う. 立派な事である. 継続は力なり, と言われるが, 25 年間 「水戸黄門」 に出演し続けられた秘密の一端が解ろうと言うものである.

また, 由美かおるは, マッカ-サー元帥が座右の銘としていたと言われる, Samuel Ullman の有名な詩 「青春 (Youth)」 を引用し, 若さと美しさを保つ秘訣も, 心の在り様こそが大事で, 身体の内面から滲み出して来るものだ, と自信を持って語っていたのが印象的であった.

最後に, サミュエル・ウルマンの 「青春」 の詩を紹介して, 参考に供したい.

サミュエル・ウルマン 『青春』:

青春とは, 人生のある期間を言うのではなく, 心の様相を言うのだ.
優れた創造力, 逞しき意志, 炎ゆる情熱, 怯懦を却ける勇猛心, 安易を振り捨てる冒険心,
こう言う様相を青春と言うのだ.
年を重ねただけで人は老いない. 理想を失う時に初めて老いがくる.
歳月は皮膚のしわを増すが, 情熱を失う時に精神はしぼむ.
苦悶や, 狐疑, 不安, 恐怖, 失望,
こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ, 精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう.
年は七十であろうと十六であろうと, その胸中に抱き得るものは何か.
曰く「驚異への愛慕心」, 空にひらめく星晨,
その輝きにも似たる事物や思想の対する欽迎,
事に處する剛毅な挑戦, 小児の如く求めて止まぬ探求心, 人生への歓喜と興味.

人は信念と共に若く
人は自信と共に若く
希望ある限り若く
疑惑と共に老ゆる
恐怖と共に老ゆる
失望と共に老い朽ちる

大地より, 神より, 人より, 美と喜悦, 勇気と壮大, 偉力と霊感を受ける限り, 人の若さは失われない.
これらの霊感が絶え, 悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし, 皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至れば,
この時にこそ人は全くに老いて神の憐れみを乞う他はなくなる.
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健康長寿の秘訣は 「心の在り様」2010/06/08 21:57

前回は, 由美かおるの若さを保つ秘訣について述べた (因みに 「西野式呼吸法」 については, 私の HP の 「リンク」 にアドレスを載せているので, 詳細を知りたい方は, そちらにアクセスしてみて欲しい).

百歳を超えて, なお元気な方の性格調査結果がある. それによると 「物事を前向きに考える」 「ストレスに強い」 「好奇心が旺盛」 「物事によく感動する」 等の報告がある.

長寿は遺伝的な要因も無視は出来ないが, 遺伝や環境的要因のみならず, その人の心の持ち方 (在り様) も非常に大きく関与している事が, 上記の調査報告から推し量られる.

歴史上の人物で, その時代においては長寿を全うしたと思われる人物としては, 徳川家康, 徳川慶喜, 伊能忠敬, ガリレオ・ガリレイ, チャールス・チャプリン, トマス・エジソン, ココ・シャネルなどが思い付く.

現代では, 日野原繁明, 森光子, 瀬戸内寂聴などが未だに第一線で活躍しているのは, 皆さんご存知であろう.

これら, 健康長寿の先達とも言える人たちを見ていると, 年齢には関係なく, 常に何かを夢見て追い求め, 目標に対するチャレンジ精神を失っていない様に感じられる.

この意味でも, サミュエル・ウルマンの詩 「青春」 (前回紹介) は, マッカーサー元帥ならずとも, 座右の銘にしたいと思うのである.
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