児童虐待は何故起きるのか? ― 2012/03/04 03:06

昨日の話題とも関係するが, 痛ましい児童虐待死事件が後を絶たない.
2009 年度には, 虐待で命を落とした子どもは 49 人に上ったと言う.
詰り, 略 1 週間に 1 人の子が虐待で死んでいる, と言う驚くべき事実を意味している. これが現在の日本社会の一面なのだ.
その意味で, 子どもの虹情報研修センター研究部長の川崎 二三彦さんの話は傾聴に値する.
長い間抱いてきた私の疑問を少しは解消して呉れたからである.
川崎さんは, 「体罰は法則的にエスカレートせざるを得ない」 と言う.
一旦虐待の方へ向かった親は, 外とは隔絶した家族だけの世界にはまり込み, 悪いサイクルからなかなか抜け出せなくなる..
母親は, 恐らく途中で 「拙い事をしている」 と思うかもしれない.
でも誰かに相談したら警察に逮捕されるかもしれない. もう他人には言えない, 隠すほかはない, とズルズルと続け, 結局は手遅れになってしまう, と川崎さんは仰るのである..
子どもの状態が悪くなると SOS を出すのが難しくなり, 隠すという形になってしまう, とも.
虐待への流れを見ていると, 最初はお尻ペンペンと言った軽い体罰から始まっても, だんだん重い体罰になっていく.
痛みを伴う体罰は即効性がある. 取り敢えず, 子どもは言う事を聞く.
然し, 必ず慣れてくるので, また何か悪さをする. すると親は 「また, やった」 と叩く.
子の成長に従い, 今度はもっと強く叩かないと子に効かなくなる. 何時の間にかケガをさせるような暴力へと拡大する...
体罰にはこうした法則があるらしいのである.
また, 児童虐待を生む背景には, 「体罰を容認する社会風潮がある」 とも指摘している.
子どもの躾のためには, 多少の体罰, 即ち, 腕力の行使はやむを得ない, と考える親は少なくない.
親は子どもを懲戒できると民法は規定し, その懲戒権には体罰も含まれる, と通常解釈されているのだそうだ.
然し, 悪い事をしたら, 親は真剣な顔で 『どういう事なのか話を聞きたい』 と "居住まいを正す" だけで子どもは分る.
そこで子はより本質的に物事の是非を理解し, 何が大事かを学ぶのだ, と川崎さんは断言する.
親はいつも相反する感情を持って揺れている.
子どもは元気でいてくれさえすればいい, と細やかな願いを持つ一方, 出来たら有名大学へ入って, 高収入を得て...と期待を膨らませる.
親自身が貧困で苦しんできた場合など, 何とか子どもを這い上がらせようと無理な注文をして虐待に繋がる事もあるのだ, とも.
児童虐待は社会から孤立した家族に起きるリスクが高い. 従来は核家族化が問題だった.
然し, 現在は離婚・再婚などにより, 血縁のない親子関係ができる 『ステップファミリー』 に行政がもっと支援の手を差し伸べなければならない, と川崎さんは主張している.
里親を体験した人からよく聞く話として, 子どもは新しい親を信じていいのか, 頼っていいのか, 「試し行動」 をするのだと言う.
最初はいい子にしていても, やがてモノを撒き散らしたり, 食べ物を拒んだりする.
本当に私を育ててくれるんですか? と行動で試す事を 「試し行動」 と言うのだそうだ.
里親の場合は事前研修があり, 子は 「試し行動をしますよ」 と教えられるが, ステップファミリーの親はそう言った事前教育を受ける機会が全くないのも問題だ, と指摘する.
父親が暮し始めた子にいきなり試し行動をされたら, 事前の知識がないので, 「許せない!」 と怒り出す. そこに虐待に結びつく芽があるのだ,と.
ステップファミリーに知識を届けるルートが必要なのだ, と川崎さんは主張している.
以上が, 川崎さんの指摘する, 児童虐待のメカニズムの一端である.
事前に 「試し行動」 の知識があったとしても, それはケース・バイ・ケースで, 実際の対応には難しいものがあるだろうことは想像に難くない.
ただ, この時, 「悪い事をしたら, 親は真剣な顔で 『どういう事なのか話を聞きたい』 と居住まいを正す」 という, 親の真摯な姿勢は極めて重要である.
そう言う毅然とした態度を根気よく示す事で, 子はより本質的に物事の是非を理解し, 何が大事かを学ぶのだ, との川崎さんの言葉には重い物があると思うのである.
Have a nice weekend!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html
(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)
往診も承っております.
心や身体に関する悩み事など, お気軽にご相談下さい.
E-Mail : tadashi.fukutomi@tcat.ne.jp
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2009 年度には, 虐待で命を落とした子どもは 49 人に上ったと言う.
詰り, 略 1 週間に 1 人の子が虐待で死んでいる, と言う驚くべき事実を意味している. これが現在の日本社会の一面なのだ.
その意味で, 子どもの虹情報研修センター研究部長の川崎 二三彦さんの話は傾聴に値する.
長い間抱いてきた私の疑問を少しは解消して呉れたからである.
川崎さんは, 「体罰は法則的にエスカレートせざるを得ない」 と言う.
一旦虐待の方へ向かった親は, 外とは隔絶した家族だけの世界にはまり込み, 悪いサイクルからなかなか抜け出せなくなる..
母親は, 恐らく途中で 「拙い事をしている」 と思うかもしれない.
でも誰かに相談したら警察に逮捕されるかもしれない. もう他人には言えない, 隠すほかはない, とズルズルと続け, 結局は手遅れになってしまう, と川崎さんは仰るのである..
子どもの状態が悪くなると SOS を出すのが難しくなり, 隠すという形になってしまう, とも.
虐待への流れを見ていると, 最初はお尻ペンペンと言った軽い体罰から始まっても, だんだん重い体罰になっていく.
痛みを伴う体罰は即効性がある. 取り敢えず, 子どもは言う事を聞く.
然し, 必ず慣れてくるので, また何か悪さをする. すると親は 「また, やった」 と叩く.
子の成長に従い, 今度はもっと強く叩かないと子に効かなくなる. 何時の間にかケガをさせるような暴力へと拡大する...
体罰にはこうした法則があるらしいのである.
また, 児童虐待を生む背景には, 「体罰を容認する社会風潮がある」 とも指摘している.
子どもの躾のためには, 多少の体罰, 即ち, 腕力の行使はやむを得ない, と考える親は少なくない.
親は子どもを懲戒できると民法は規定し, その懲戒権には体罰も含まれる, と通常解釈されているのだそうだ.
然し, 悪い事をしたら, 親は真剣な顔で 『どういう事なのか話を聞きたい』 と "居住まいを正す" だけで子どもは分る.
そこで子はより本質的に物事の是非を理解し, 何が大事かを学ぶのだ, と川崎さんは断言する.
親はいつも相反する感情を持って揺れている.
子どもは元気でいてくれさえすればいい, と細やかな願いを持つ一方, 出来たら有名大学へ入って, 高収入を得て...と期待を膨らませる.
親自身が貧困で苦しんできた場合など, 何とか子どもを這い上がらせようと無理な注文をして虐待に繋がる事もあるのだ, とも.
児童虐待は社会から孤立した家族に起きるリスクが高い. 従来は核家族化が問題だった.
然し, 現在は離婚・再婚などにより, 血縁のない親子関係ができる 『ステップファミリー』 に行政がもっと支援の手を差し伸べなければならない, と川崎さんは主張している.
里親を体験した人からよく聞く話として, 子どもは新しい親を信じていいのか, 頼っていいのか, 「試し行動」 をするのだと言う.
最初はいい子にしていても, やがてモノを撒き散らしたり, 食べ物を拒んだりする.
本当に私を育ててくれるんですか? と行動で試す事を 「試し行動」 と言うのだそうだ.
里親の場合は事前研修があり, 子は 「試し行動をしますよ」 と教えられるが, ステップファミリーの親はそう言った事前教育を受ける機会が全くないのも問題だ, と指摘する.
父親が暮し始めた子にいきなり試し行動をされたら, 事前の知識がないので, 「許せない!」 と怒り出す. そこに虐待に結びつく芽があるのだ,と.
ステップファミリーに知識を届けるルートが必要なのだ, と川崎さんは主張している.
以上が, 川崎さんの指摘する, 児童虐待のメカニズムの一端である.
事前に 「試し行動」 の知識があったとしても, それはケース・バイ・ケースで, 実際の対応には難しいものがあるだろうことは想像に難くない.
ただ, この時, 「悪い事をしたら, 親は真剣な顔で 『どういう事なのか話を聞きたい』 と居住まいを正す」 という, 親の真摯な姿勢は極めて重要である.
そう言う毅然とした態度を根気よく示す事で, 子はより本質的に物事の是非を理解し, 何が大事かを学ぶのだ, との川崎さんの言葉には重い物があると思うのである.
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(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
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