健康小話

脳梗塞を起こした後に病状が悪化するのを, 白血病の治療薬で抑えられる可能性がある, とするﾏｳｽの実験結果をこの程, 慶応大のﾁｰﾑが発表している.

手足の麻痺や言語障害など, 脳梗塞の後遺症を軽減する治療法に繋がると期待されると言う.

脳血管障害者には朗報である.

慶応大の吉村 昭彦教授 (免疫学) によると 「この薬は米国などで使用が認められており, 脳梗塞の患者に早期に応用したい」 意向の様だ.

脳梗塞は, 脳の血管が詰まって血流が減り, 脳の組織が死ぬ.

一旦発症した後に脳が炎症を起こし, 周りの神経細胞が更に死滅する事で症状が悪化する.

ﾁｰﾑは, 脳の炎症を引き起こす蛋白質に着目したと言う.

海外で慢性ﾘﾝﾊﾟ性白血病の治療に使われる薬剤 「ｲﾌﾞﾙﾁﾆﾌﾞ」 が, この蛋白質を活性化する酵素を抑える事を発見したのである.

血管を詰まらせ, 脳梗塞を発症させたﾏｳｽで実験した処, 発症直後と翌日にｲﾌﾞﾙﾁﾆﾌﾞを注射したﾏｳｽは, 注射しないﾏｳｽに比べ死滅する神経細胞が少なく, 全快には至らないものの, 歩行などの運動機能が改善したと言う.

発症直後に対応する必要がある様だが, 片麻痩や言語障害が深刻なものでなくなったり, 或いは, 症状の改善にも寄与出来るなら, 予後の症状はこれまでとは違って, 大分明るいものになる筈だ.

昨今の高ｽﾄﾚｽ社会を反映し, 50 代, 60 代で, 半身麻痺など, 脳血管障害の後遺症に悩む患者は少なくない.

その様な患者さんの多くは, 一様に 「何でｵﾚ (私) がこんな目に!!!」 との無念の想いを口にされる.

仮令, 完治はせずとも, 自立して何とか日常生活を送れる様になるだけでも, "天地の差" なのである.

Have a nice weekend!
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