健康小話

英誌 「ｴｺﾉﾐｽﾄ」 の調査機関は, 過日, 緩和ｹｱや終末期医療の質や普及状況に基づく 80 カ国･地域の 「死の質」 ﾗﾝｷﾝｸﾞを発表している.

日本は 14 位と, 政府の癌対策見直しなどが評価され, 前回 2010 年の 23 位から上昇した.

1 位は前回に続いて英国, 最下位はｲﾗｸだった.

因みに, 総合順位で 2 位はｵｰｽﾄﾗﾘｱ, 3 位はﾆｭｰｼﾞｰﾗﾝﾄﾞ. ｱｼﾞｱでは台湾が 6 位, 韓国 18 位, 中国 71 位などとなっている.

ﾛﾝﾄﾞﾝを拠点とする 「ｴｺﾉﾐｽﾄ･ｲﾝﾃﾘｼﾞｪﾝｽ･ﾕﾆｯﾄ」 が, 各国のﾃﾞｰﾀや専門家への聞き取りに基づき, ｹｱ質, 医療･介護職の豊富さ, 患者の費用負担など 5 つの領域について数値化している.

日本は 12 年度から 5 年間の癌対策推進基本計画で, 精神的な苦痛を含めた早期からの緩和ｹｱが盛り込まれた点がﾌﾟﾗｽ要因となったと言う.

5 領域では, 緩和ｹｱに対する国民の意識やﾎﾞﾗﾝﾃｨｱの参加を測った 「ｺﾐｭﾆﾃｨｰの関与度」 で 5 位と順位が高かった.

一方で, 緩和ｹｱの主な対象が癌患者で, 他の病気では不十分な事や, 痛み止めのﾓﾙﾋﾈの使用が世界の中でも少ない事がﾏｲﾅｽ要因として挙げられている.

緩和ｹｱに関しては, 未だまだ改善の余地が大きい事が浮き彫りになっている.

また, 「待機児童」 ならぬ 「待機高齢者」 の問題も, 今後ますます深刻の度合いを増す傾向にある.

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