唯一 「100% 予防可能」 な癌 - 子宮頸癌2010/12/23 03:47

子宮頸癌については, 以前にも本欄で触れている (「子宮頸癌と HPV ワクチン」) ので, 重複する処もあるかも知れない.

日本では, 毎年, 15,000 人ほどの女性が子宮頸癌に罹り. その内, 凡そ 3,500 人もが死亡していると言われている.

子宮頸癌は原因がはっきりしている珍しい癌であり, その原因は, ヒトパピローマウィルス (HPV) と呼ばれるウィルス感染である.

HPV は主として性行為によって感染するので, 女性であれば, 誰でも感染する可能性をもっている.

性体験を有する女性の 8 割は, 生涯に一度は感染すると言われている.

然し, HPV 自体は特殊なウィルスではなく, 例えば, 風邪を引く様に, 日常的な生活で感染してしまうものである.

殆どの場合, 自己免疫力によってウィルスが排除され, 気付かないうちに消えてしまうのである.

が, 極く稀に, 持続感染と言って, ウィルスが体内で長期に棲み続ける事がある. その結果, 感染した細胞が子宮頸癌に進行する可能性が出て来るのである.

けれども, HPV 感染後, 癌になるまでには 5 年以上掛かるので, その間に定期検診を受ける事によって, 子宮頸癌の場合は, 「異形成」 と称する, 癌になる前の状態が存在しているので, 早期癌より遥かに早い段階で発見できると言う特徴がある.

治療も, 癌の一歩手前の状態である, 「高度異形成」や, 最も初期段階の癌である 「上皮内癌」 の段階だと, 子宮の入り口をほんの僅かに切除するだけで済むと言われており, 術後も姙娠・出産が可能である.

詰り, 子宮頸癌は, 「早期発見」 ではなく, 「予防」 すべき, それも 100% 予防可能な癌であると言える.

かつては 60 歳代の女性が罹り易いとされていたが, 現在では, 20 歳代, 30 歳代の女性が最も罹り易く, ピークは 30 歳代となっている.

多くの場合, 自覚症状は殆どなく, 手術が出来ないほど進行してしまっても自分では気付き難い点が, 子宮頸癌のもう 1 つの特徴であるとされる.

なお, 前回も触れたが, 子宮頸癌は HPV ワクチンを接取すれば感染を回避できる.

けれども, ワクチン接種は, 性交渉が未経験のうちに接種する事が肝心である事は上記の背景から明確である (欧米諸国では, 既に接種が普及している).

若い娘さんのおられるお母さんは, 比較的簡単に出来る HPV 検診や, ワクチン接種を前向きに検討すべきであろう.

費用は掛かるが, 今では補助金を出している市町村が増えて来ている様である. 一度市町村の窓口で相談してみると良いだろう.
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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