唾液でエイズ感染を検出!2012/03/07 02:39

HIV (エイズウィルス) は, 血液中の抗体検査で確認するため, これまでは感染してから 3 カ月程度たたないと分らないことが多かった.

然し, このほど鹿児島大学発のベンチャー企業, スディックスバイオテック (鹿児島市, 隅田 泰生社長) が開発した手法は, 唾液 10 ml にウイルス 1 粒子という低濃度でも検知可能で, ごく少量で初期感染を発見できると言う.

唾液を採取すれば済むため痛みもなく, 検査に対する感染者の抵抗感も低減することが期待できるようだ.

今後, 鹿児島大学病院などと実証実験を行い, 新たな診断法として来年度の実用化を目指している.

ヒト細胞の表面は, 糖が繋がった糖鎖で覆われている. ウイルスはこの糖鎖に吸着し, 細胞内に入り込む.

同社は HIV と結合性の強い糖鎖を 20 ナノメートルの金粒子に固定化した糖鎖固定化金ナノ粒子 (SGNP) を開発.

これを唾液と混合した後, 独自開発した遠心分離機で吸着した SGNP を濃縮, 分離する.

検査結果は最速 30 分程度で判明するという. 検査費用は 1 検体当り 3 千円から 5 千円を予想している由.

世界的に, ジワジワと感染が拡大しているエイズである.

本来は 「予防薬」 そのものの開発が望まれる処であるが, 何れにせよ, 感染初期に適切な処置を行えるか如何かがその後の人生に大きく影響して来るのは間違いない.

因みに, スディックスバイオテックは鹿児島大学大学院教授の隅田社長が 2006 年に設立, 独自開発した金ナノ粒子を使った蛋白質の解析などを手掛けており, 09 年にはインフルエンザウイルスを超高感度で検知する手法を開発していると言う.

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