フードファディズムへの警鐘 - (3)2011/03/26 02:23

(東北関東大地震発生以来, 暫く中断してしまったが, 表題の件, 再開する事にしたい.)

食べ物が健康に与える影響を "過大に" 信奉したり, 評価したりする事, をフードファディズム (偏狂的な食生活) と呼ぶ.

例えば, テレビ番組が仕掛けたことで, ココアや納豆, バナナや寒天といった食材がこれまで大ブームになった.

フードファディズムによって, 人々は些末な食の健康情報に踊らされてしまうのである.

(この事は, 今回の放射能汚染に関して, 様々な "風評" 被害が生じたのと, 全く軌を一にする.)

本来, 「これさえ食べれば大丈夫」 といった, 所謂, 健康への 「マジックフーズ」 などは存在しない

逆に, 健康を害するような 「悪魔フーズ」 さえ存在する.

「自然・天然」 「植物性」 だと体によく, 「人工」 「動物性」 だと体に悪い, とする傾向が強い.

だが, 恐怖心を煽って高い商品を買わせようとする 「不安便乗ビジネス」 の横行がこうした誤った認識を生み出していると言える.

沢山の種類の食品を, 適量食べる重要性を無視するような食の情報には, フードファディズムが紛れ込んでいると言える.

食べ物は, 毒でもなければ薬でもない.

この常識を知っておけば, 誤った食情報に惑わされる事はない.

にも拘らず, なぜフードファディズム (偏狂的な食生活) が生まれ, 蔓延るのか.

その意味で, 「飢え」 で生きていくのにも困るような途上国に, フードファディズムなどは存在し得ない, と言う事実を見逃してはならない.

食料自給率が低く, 危機的といわれている日本であるが, 世界各地からの輸入品も含め, 色々な食べ物が溢れている.

選り好みできる食環境が, フードファディズムに陥る危険性を招いている.

また, 過剰なまでの健康志向もそれを助長している.

テレビや雑誌で取り上げる食情報は, 誇張が多いのが特徴であるが, それ故, 「テレビで見た」 「本に書いてあった」 と言うだけで買いに走ってしまう傾向がある.

ジャガイモには有毒物質のソラニンが 100 g 当り 2 - 10 mg 含まれている
ジャガイモ 2 kg を食べると中毒を起す事もある.

また, コーヒーはカフェインを多く含み, 一度に 30 - 100 杯飲むと, カフェインが致死量に達する.

だからと言って, 一度に 2 kg のジャガイモを食べたり, コーヒー 100 杯を飲んだりは出来る筈がない.

健康のため, 或る食材を, 常識を超える程の量を食べなければならないとすると, これは, フードファディズム (偏狂的な食生活) と言える.

食品会社などは, 商品の PR をする際, 「いかに体によいか」 を前面に出す.

この際, よく見落とされるのが, 含有量や摂取頻度, 摂取量なのである.

この点を抜きに, 体によいとされる効果だけを信じると, フードファディズムに陥ってしまう.

「体に悪影響を及ぼす」 とされる物質についても, 同じ配慮をしなければならない.

今回の, 福島産ほうれん草や, 金町浄水場の水道水の放射性物質検出などに関わる一連の動きは, まさに好例と言える.

Have a nice weekend!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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