健康小話

ご存知とは思うが, 著者は, 札幌医大を出た, 元整形外科医であったが, 小説家に転向, 70 年に 『光と影』 で直木賞を受賞した.

その後, 『花埋み』 『女優』 『遠き落日』 などの伝記もの, 『白い宴』 『麻酔』 などの医療もの, 『化身』 『失楽園』 『愛の流刑地』 など, 中年男女の濃密な性愛描写で話題を呼んだ作品などの他, 幅広い分野に亘るｴｯｾｲなど, 創作意欲は旺盛な作家である.

その著者が、少し前に表題の本を出し, 注目を集めている.

「日本人は意識が遅れていることに無自覚すぎる.

男は強く, 女は弱くかしずくもの, という明治のおじさんたちの男尊女卑の発想で作った法律が未だに生きている.

法律ができた当時とは状況が総て変ったのに, 日本人は何一つ変えようとしない.

男女関係, 婚姻に関する法律は古いままで, 諸外国に笑われている事にも気付かない. それに呆れて 『事実婚』 を書き出したのだ」 との事.

事実婚とは, 婚姻届を出さない結婚のことを指す.

結婚式を挙げたり, 一緒に暮したりするのは同じだが, 入籍しないので夫婦は別姓. 財産も別々. 子供をどちらの籍に入れるか, 生活費や教育費をどう負担しあうかなどは話し合いで決める.

非嫡出子の社会保障の問題など, 日本には多くの壁があるが、西欧ではすでに受け入れられている概念だと言う.

本書は, 現在の旧態依然とした日本の制度が重すぎて, 悩んでいる若者に向け, ﾃﾞｰﾀや実例に恋愛小説家ならではの知見も交えて "事実婚" の実態と可能性を探っている.

「愛し合っているならまず一緒になる事. 結婚でどんちゃん騒ぎする必要はない. 愛は変るものだから, 嫌になったら別れて二婚, 三婚すればいい」 という結婚観.

「成熟した社会とは多様性を認められる社会, 新しい人間性の確立という観点で読んで貰えれば」 と日本人の意識改革を訴えたかったのだと言う.

然し, 私の見る処では, 事実婚に近い, 或いは, その遥かに先を行っている形の男女の結び付きは, 思っている以上に潜行しているし, また, 進んでもいる様に思うのであるが, 本当の処は如何なのであろうか?

昨日の本ﾌﾞﾛｸﾞ 「彼女いません...」 とは矛盾する部分もあるが, 「事実婚」 も一つの現実を現している様に思うのである.

Have a nice holiday!
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はり・きゅう・ﾏｯｻｰｼﾞ トミイ
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