ジェローム・グループマン 著 『医者は現場でどう考えるか』 (美沢 恵子 訳, 石風社)2012/05/11 02:32

本書は, 癌やエイズを専門とする著者が, 臨床現場の取材や自らの体験をもとに, 医師が陥りがちな思考のエラーやバイアスと, それらが治療に与える影響とを明らかにしたルポである.

誤診は, 医師の思考が見える窓である, と著者は考え, 失敗談に耳を傾けたと言う.

最初に下した診断に固執したり, 指示に従わない患者に嫌悪感を抱いてしまう, などの例を挙げ, 医師の感情が行動を支配する, と指摘している.

熟練した医師に共通しているのは, 自分の内面を洞察できる事であり, 自分は患者のために何が出来て, 何が出来ないのかを見究めている, とも.

ケアの基本は 「思い遣り」 と言う当り前の出発点に立ち戻る秘訣は, 医師の思考方法にある, との著者の一貫した姿勢は, 臨床現場で患者と向き合っている我々鍼灸師にも示唆する処が多い.

特に, 30 人近い医師に診察を受けながら, 完治せずに苦しんでいたある女性患者が, 15 年目に会った医師の 「私はあなたの物語を聴きたい, あなた自身の言葉で」 と言う一言を機に, 正しい診断と治療法に辿り着いた, と言う話は, 医師と患者とは, コミュニケーション次第で最良のパートナーになり得る事を教えて呉れる.

かつて, 本ブログで, 医師と患者とは 「ラポート」 関係を構築できるか否かが大切だ, と紹介した事がある.

東洋医学では 「望聞問切」 という 4 つの診断法を大切にしている, と言う事も本ブログで紹介している.

繰返す事はしないが, 先ずは, 患者さんの訴えに良く耳を傾ける事が, 総ての出発点である事を今更の様に思い出させる本である.

Have a nice day!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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