中国料理と油2011/03/12 02:53

先ず, 昨日の地震で被害を被った方にお見舞いを申し上げます. 

地震の大きさとそれに続いた津波のエネルギーの凄まじさには, 為す術もなく, 只々, 恐れ入るしかない事を思い知った恐怖の出来事でした.

地震発生時は, たまたま施術はシャッフル・リラクセーションで, それも殆ど終っていたので, 特に患者さんにも被害はありませんでしたが, 我が家では色々なものが倒れてきました.

近所のドラッグストアに買い物に行ったら, 棚から陳列していたビン類が倒れて可成りの被害が出ており, 店員さんが後片付けに大童でした.

みなさんのお宅では如何でしたか? 大きな被害がなかった事を祈ります.

さて, 中国料理は必ずといっていいほど油を用いて火を通す.

中国の諺に 「七件事」 と言うのがあって, 朝起きると 7 つの物が必要になる, との意である.

詰り, 薪, 米, 油, 塩, 味噌, 酢, 茶の 7 つを指すのだが, 油は 3 番目に位置しているほど必需品となっているのである.

中国に行かれた方はお分りだと思うが, 中国では生水が飲めない.

多くがミネラルの多い硬水で, 然も異味異臭のするものも少なくない. それで, 湯を沸かしてお茶を呑むのである.

太古の中国, 尭舜の時代から, 洪水を防ぐ治水事業に注力して来た事からも判る様に, 洪水の度に赤痢やコレラなどの疫病が蔓延するのを防ぐ殺菌手段としても, 短時間で 200 ℃以上の高温が得られる油脂類が料理で好まれて来たのである.

生活の知恵と言える. 

尤も, 中国で本格的に油脂類が用いられるようになったのは, 12 世紀前後の宋の時代からと言われている.

宋の時代は, 石炭の利用が一般化し, 良質で廉価な鉄鍋が庶民の台所まで普及する様になり, 炒め物や揚げ物が, 文字通り, 人口に膾炙したのである.

それ以前は, 魚介類や野菜類は生食する事が殆ど, 細菌や寄生虫に悩まされていたとおもわれる記述が, 鍼灸関連の書物に散見される.

劣悪な水を克服する手段として, 油脂と火力とが巧みに利用され, 身体に良くて, 味も優れた中国料理が完成されて行ったのである.

以上, 昨日の大地震で感じた次第.

Have a nice weekend!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
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