現代版 「寺子屋」 と Sound Mind in a Sound Body2010/09/11 04:32

日経の夕刊に 「こころの玉手箱」 と言う連載コラムがある.

経済界, 教育界, 政界, 芸能界等々, 色々の分野の人が月曜から金曜まで, こころの想いを書いているエッセイである.

8/9 の週は大林組の大林剛郎大林組会長が連載した. 何れの回も私には興味ある内容であったが, 特に最終回の 「パッカーズ寺子屋」 には甚く感動した.

以下に引用してみる.

"経営者のメセナ組織 「バッカーズ・ファンデーション」 には現代アートの作家支援と並んでもう一つ重要な活動がある.

手作り教育事業 「バッカーズ寺子屋」 である. 発足は 7 年前. バッカーズのメンバーは教育の現状への不満が強く, 会合のたびに議論が沸騰していたのだが, なかなか解決策に至らない.

「批判するばかりでなく, それなら自分たちで手作り教育をしよう」 と話が発展して始まったのがこの 「寺子屋」 だ.

塾頭は教育のプロである木村貴志先生にお願いしたが, 講師はバッカーズのメンバーが務める. 期間は毎年 7 月から 1 年間.

小学 4 年生から中学 3 年生までの男女約 20 人を全国で公募し, 年 26 回講座を開く.

具体的には企業見学や山口県萩市の松下村塾を訪ねる夏と春の合宿, 年 2 回のスピーチコンテストなどだ.

教育方針として 10 原則を掲げている. 「嘘誤魔化しをしない」 「人のせいにしない」 など至ってシンプル. 今の学校では教えない現代版道徳のようなものだ.

2 年前に九州にも分校ができ, 「寺子屋」 は徐々に広がりをみせている.

子供たちの潜在能力にしばしば驚かされた. 例えば, スピーチコンテスト. 最初の会ではおどおどして話していた小学生が数カ月後の 2 回目になると, 我々経営者よりも上手に喋る様になる.

私も講師を引き受けているが, 教えることより, 自分が学ぶことも多い. 講義で自社の仕事を取り上げる際には, 建設業が世の中にいかに貢献しているかを解り易く話さなければならない. 日本人がグローバル競争を勝ち抜いていくために何をなすべきかを説く事もある.

日本人の競争力の源泉は 「モノ作り」 というのが私の持論.

バッカーズのメンバーには虎屋の黒川光博社長もおられるので 「寺子屋」 では謂わば和菓子からゼネコンまで, あらゆる日本のモノ作りの心髄をこどもたちに伝える事ができる.

今年の企業見学はわが社が施工中のスカイツリーが候補の一つ. 生徒の中から未来の建設業を担う人材が輩出してくれたら, この上なく喜ばしいのだが."

日本人の競争力の源泉は 「モノ作り」 と言うのが私の持論, とある. 全く同感である.

昨年は, 世界一となったトヨタ自動車がリコール問題をきっかけに世界一の座を滑り落ち, 大幅な赤字を余儀なくされたのは記憶に新しい.

かつては, 「トヨタ生産方式」 が世界の製造業を席巻し, 不良品・欠陥商品を出さない事で日本のモノ作りの優れた技術を誇ったものである. 

私が未だビジネスマンだった頃から, 日本のモノ作り技術の伝承に対する危惧がなかった訳ではない.

20 年ほど前, 私は, 大手化学会社の営業マンだったが, その当時, 既に, 我が社では優秀な製造課長が払底していたのだ.

効率化による人員削減で, 多くの工場はぎりぎりの人員での遣り繰りを余儀なくされ, 製造技術の革新を推進する人員余力に乏しかったのである.

その為と言うと, 言い過ぎになるが, 工場での無事故無災害連続記録が中断する様になっていたのである. 

それは我が社に限られた事ではなく, 他社でも事情は似たり寄ったりだった様で, 当時から既に工場での火災や爆発事故などが日本の各地で散見される様になったのである.

世の中, 多くは 「振り子の理論」 で動いている, と私は感じているので, 極端にマイナス側に走れば, その反動で今度は極端にプラス側に移動するものである.

昨年のトヨタのリコール問題を契機に, 他の業界でも, 製造技術の見直し機運が高まった様である.

資源を持たない日本の生きる道はモノ作り, 原料を資源国から輸入して, 優れたモノ作りを通じて付加価値を高め, それを外国に輸出する事によって日本の経済は立ち行くのである, と私たちの時代は教育を受けたものだ.

モノ作りニッポンの輝きを再び取り戻さねばならないだろう.

それには, 何と言っても, 未来を背負って起つ子どもたちの教育を再構築する事から始めなければならないだろう.

その意味で 「パッカーズ寺子屋」 が, 今の学校では教えない "現代版道徳" を教育方針に掲げているのは嬉しい限りである. 

現代版道徳として掲げている 10 項目の総てについて知る由もないが, それらは "人間教育" そのものである様に思われる.

以前も触れたが, Sound Mind in a Sound Body. は何時の世でも大切にされねばならない真理であると思うからである.

そう言えば先日, 「子どもの生き難い世の中であってはならんなあ!」 とゲゲゲの女房の水木しげるも言っていたっけ.
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